京都大学×スパニッシモ オンラインスペイン語学習の成果!

オンライン語学研修実施の背景:生徒と講師の自己実現のため!
2013年度よりスパニッシモでは、第二外国語としてスペイン語を履修している学生を対象に、話す(アウトプットの増加)と異文化理解の促進としてマンツーマンレッスンを提供してまいりました。

グアテマラではスペイン語学校が多く存在しているものの、講師の経験年数や評価によってステップアップが図られる体制がありません。これによりどんなに優秀な先生でも賃金の差別化がなされず「スペイン語の講師としてキャリアを全うしたい」という意欲が削がれているのが現状です。
スパニッシモではこの部分に光を当てることで、講師のキャリアのステップアップの仕組みづくりとして積極的に法人との連携を実施しております。グアテマラの講師としてはより高度な授業の提供が求められる法人のお客様にサービスを提供することで、賃金を含めたキャリアアップが図られると共に、生徒さんには質の高いマンツーマン授業を提供することで「話す」能力アップを目指しています。これらは、「スペイン語を教える能力=知的労働」によってグアテマラのスペイン語講師の生活の一助となるスパニッシモの目指す「知的フェアトレードの確立」をより拡大させていくことを目指しております。

今回はそのオンラインでのマンツーマンレッスンの実感について京都大学の塚原准教授と昨年受講された2名の学生にインタビューを行いました!
(インタビュアー:スパニッシモ 有村)

目次

Q.早速ですが、今回の導入の背景を教えて下さい。

前提として、京都大学のスペイン語教育において、使えるリソースは非常に限られています。
それは専任教員の数だったり、設備的な物だったり、どうしても限界があるので、「できないこと」が多々ある。この「できないこと」を外部の教育機関との協業で何とかできないか、と常に思っています。
学生の中には、英語以外の言語をある程度、運用能力も含めて高いレベルにまでもっていきたい生徒がいます。これは、多くの場合は本人のキャリアプランと結びついていたりします。例えば卒業後に国際機関に就職したい、だとか中南米で仕事をしたい、と思っているだとか。そういう学生にとっては大学のスペイン語授業では足りないんですね。大学の授業は基本マス向けなので、例えばスパニッシモさんで実施しているような1対1の授業っていうのはリソース的には非常に難しい。そのような環境の中で、スパニッシモさんとこのリソースを使わせてもらいながら、「できないことをやる」ができそうでしたので一緒にやろう、ということで始まりました。

Q.過去にも外部事業者と協働されていますが、抵抗を感じることはありますか?

私自身は全然ないです。大学としてはそれ程まだ一般的ではないので、学内的な手続きや手順などは踏まないといけませんが。私から言わせると外部との連携はむしろ積極的にやるべきだと思っています。大学の中で使えるリソース、特に教育に使えるリソースは限られていて、尚且つ色んな事情でそれが減っていたりする。その中で「質を保証した教育」をやろうとすると、使えるものはどんどん使えないとダメなんですよ。それが内部とか外部とかって話ではなくて、大学の基準に照らして、それが一定の水準に達しているのであればどんどん取り込んで利用する。そうやってリソースを豊富にしていかないと質を保ったままの対応ができなくなります。

Q.スパニッシモはどのような点で「満たしている」と判断して頂けましたか?

最終的には一緒にやってみないとわからない、という部分は多々あるのですが、今回であれば試験導入期間を経て、一緒にできるな、と感じて本導入に至っています。ですが、そこに至る前提として大事にしたのは「志」ですね。

これは非常に重要だと思っていて、スペイン語関係の事業者はたくさんいますが、根底に明確に「だから私たちはこれをやるんだ」と掲げているものがある、というのがスパニッシモが他の事業者とは違う部分なんですよ。語学学校はいっぱいありますし、そういうところと協働しようとしたら同じことができるかもしれない。ただ、お金儲けでしか見ていない事業者とだとうまくいかないな、とは思います。なぜかっていうと、「教育」だからなんですよね。

Q.それはどのようなことですか?

我々はスペイン語を教えていますけど、スペイン語「だけ」を教えているつもりはない。スペイン語の学習、教育を通じて学生が世界に対して目を見開いてほしい。いろんな、多様な世界を知ってほしい。その多様な世界でのコミュニケーションがどういうものかっていうのを実感してほしいわけです。そのためには、組織の出発点からしてスパニッシモが掲げている「知のフェアトレードなんだ」というのは、我々にとっても目指す世界としては好ましいわけですよね。志に共感できるかどうか。教育をする上でそういう志は重要だと思っていますから、そう考えると、「スパニッシモだ」、となり、「一緒にやってみようよ」となれたわけですね。

Q.今回協業するにあたり、京都大学がリソースとして「不足」しているどの部分を補っているか、改めて教えて下さい。

一つは人的資源の部分です。1対1で1時間。これを我々が生徒に対して実施するっていうのは、正直無理です(笑)でも、そういう機会こそが運用能力を伸ばす非常に重要な要素になっているのは間違いありません。だからそれを補ってもらえている、というのが一つ。

もう一つ大きいのは、グアテマラでやっている、ということです。端的に言うと言語的多様性と文化的多様性に触れる、ということですね。スペイン語圏って広く、いろいろな国がありますけど、グアテマラでやっていると。グアテマラってどこ?っていう学生が少なくない中、そこから授業が行われている。これは先ほど話した、学生に「世界とはこうも広く、多様なんだ」と感じてもらったり、よりオープンな姿勢をとってもらったりするためには、非常に重要なんですよ。またスペイン語特有の事情としてスペインで話されているスペイン語とラテンアメリカの各地で話されているスペイン語は少しずつ違いますから、そういう違いに触れることができる。画面越しに現地に住んでいる人と触れるという機会にもなりますし、そういう意味でも良いな、と評価しています。

Q.スパニッシモとの授業では、京都大学で使用している教材と連動する形で、スパニッシモが中南米のエッセンスを盛り込んだ教材を作成し、先生には監修を行って頂きました。グアテマラの先生と協業するにあたって難しいことはどのような部分でしたか?

全体を通じて「それはアカデミックな場で使う教材として相応しいか」という観点をこちら側が伝えながら推敲する部分ですね。一般的な感覚と、アカデミックな場での言葉や表現って必ずしも同じではない。身近なところでいくと「アメリカ大陸の【発見】」とかね。これはあくまでもヨーロッパ側からみた「発見」に過ぎなくて現地人からすると発見でも何でもない。なので仮に教材にDescubrimiento(発見)って書いてあったら、いや la llegada de los Europeos(ヨーロッパ人の到達)となるわけですね。ヨーロッパ人の「到達」に過ぎない、と。そういう学術的な議論と連携した、あるいは関係した単語の使い方、っていうのはやっぱり気を遣います。そのような部分と、グアテマラの先生たちのほうが詳しい口頭での表現等は彼らに任せて、一緒に作ったわけですね。

Q.プログラムを実施されて、グアテマラのスペイン語講師は、どのように評価されていますか?

京都大学を担当して頂いている先生たちは選抜されてるな、というのがよくわかります。上手ですよね、やっぱり。何が上手かっていうと、1対1でやるセッションですから、当然個別に対応する、というのが強みであり求められていることではあるんですが、その個別の対応が非常に上手。やっぱりいろんな学生がいるんですよ。ある程度できる学生もいれば、ついこないだ勉強し始めました、っていう学生もいて。
そういう意味で実際初級のコースにも幅があるんですよね。この生徒の幅の違いにうまく対応してくれる。先生が履修者側に、「いや、これできてないとダメでしょ!」という話ではなくて、うまく理解を進めたり思い出させてくれる足場掛けをしてくれるんですよね。
「あのね、ここまでいかないといけないですよ」
「あなた今ここ(のレベル)にいますよ」
「で、ここに私が足場を作ってあげますよ」、
これを非常にうまくやってくれますよね。それは話し方だったり、話すトーンだったり、それからチャットを使ったり、あるいは必要に応じて英語を使ったり、といった形でいろんな足場を作ってくれる。そういう意味ではかなり安心して学生は授業ができると。安心感をもって受講できる、というのは非常に大きい。学習の上では非常に大きなメリットですよね。

Q.プログラムを通じて、スパニッシモは学生のスペイン語の運用能力向上にどのように寄与できていますか?

まず言えるのは、大きく寄与してもらっています。非常に大きいと。で、それは運用能力っていうものをどう捉えるか、によるんですけど、運用能力というよりはむしろ「コミュニケーション能力」の向上ですね。例えば4月から始めた学生が5月、6月からスパニッシモとのセッションをとって、語彙力が伸びるか、文法能力が伸びるか、というとそれは劇的には伸びない。それは仕方がないんですよ。
ところが、ほぼ1時間近くスペイン語「のみ」でやりとりをする。なんとか「会話を維持する」、ということについては、もうテキメンに効果があります。なんとか、1時間のレッスンをやり切れちゃうようになるんですよね!そういうのって、1対1の濃密な時間を20回もやる、っていう経験がないと難しいんですよ。いわゆるコミュニケーションする、維持する能力、スペイン語で維持する能力、はやっぱり伸びますよね。よく伸びます。

Q.それは先生との最終口頭試験で感じられることですか?

そうですね。私が最後に必ず期末試験に1対1の話(試験)をするんですけど、特にプログラムを始まる前の生徒の状態を知っているので、驚かされます。試験中に、わからない単語が出てきたり、言いたいことがあるのにパっと出てこなかったりしても、そこで会話を止めない、やりとりを止めない。これなんて言うんだろうって思ったら「なんていうんだろう?」とか「わからないです」とかって彼らが言うわけですよ。それがコミュニケーションなので。授業中にわからないって意思表示ができると、先生も色々助け舟を出してくれる。そうすると少しずつ遠回りかもしれないけど正解に近づいていく。その小さな積み重ねをすることでそれが自信につながる。
それを物語ってるものとしては、20回の授業をやりきって期末試験を受けた学生で、落ちた学生はいません。一人もいない。もうそこまでのレベルにいっちゃうんですね、20回やりきればね。20回やりきるのがそれなりに大変なので難しいところはなくはないですけど、やりきって臨んだ最後の1対1の面接試験で、落ちた学生はいない。これはいい驚きですよね。

 

Q.そう言って頂けて嬉しいです!そうするとスパニッシモとの協働は先生の意図しているレベルはある程度達成できていますか?

はい、それはもう。一定の水準以上の成果はあると思っています。そしてこれは協働の成果でもありますね。自分たちで探してきてやればいいじゃないか、ということを言われたら、確かにできるかもしれないですが、現実的ではない。それは、このレベルの先生を揃えて、育成して、スケジュールも組んで、っていう組織的なプレーは、一朝一夕でできるわけではないので。しかも例えば今回の授業形態でいえばマンツーマン。1人1時間を20回、それが例えば5人いるだけで100時間分の確保。やはり学校単体でやろうとすると現実的ではないですよね。そういう部分も含めてこの協働は意味がありますね。

Q.このプログラムをやっていて、まだ難しいな、課題だなと思われるところはどこですか?

こっち側の問題ではありますが、カリキュラム上20回のレッスンをしないといけないですが、20回やりきれない学生がでる。そこがフォローしにくいですね。20回のセッションを10週間程度でやるって学生にとっては結構大変なんですよ。忙しい学生もいるのでその計算がうまくできない。それでやり始めて「うまくいきません…」とかね。要するに「辞めなきゃいけません」とか過去にありました。
こちらも、案内の段階で説明はしていますがいまいち伝えにくい、伝わりにくい、と感じます。大変である分やりきると伸びるんですけど、それなりに負担が大きい。で、そこがうまく伝えられないと他にもやりたいことや、やらないといけないことがある学生が途中でできなくなってしまう。それは減らしたいと思います。

 

Q.最後に、今後のスパニッシモとの展望について教えて下さい。

一つはこのプログラムを継続していく。もう一つは違った形の協業を考えています。定型としてはSkypeを使ったレッスンですが、見ていると先生たちはもっと他のこともできる能力があると思うのでまた別の形で協業できないかと思っています。
ネットの向こう側には本物の先生がいて、いろんな制限を超えてコミュニケーションができる状況っていうのは、学習上非常に意味があるんですね。特に言語だとその意味は大きい。その国や人がどういう生活している、とか何考えてるのか、とか全くわからない状況でいきなり語学を選択しても、そういう想像できない人たちが話してる言葉を継続して勉強する気にはなかなかならないですよね。これは第二言語を選択する学生が、無意識のうちにその言語を「苦手」になっていく一因なんですね。
そういう意味でネイティブの先生と一緒に授業をする、というのはスペイン語の世界を近づけてくれる可能性があるわけですね。スパニッシモとの協業っていうのは。このような文脈で言いますと京都大学全体で、スペイン語を履修する学生がとるコースにおいても何らかの形で一緒にやれることはないか、ということは考えています。なので是非そのあたりはまた話をしましょう。

Q.非常に楽しみです!どうもありがとうございました。

ありがとうございました。

 

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スパニッシモってなに?

スパニッシモは、Skypeを使ってマンツーマンのスペイン語レッスンを提供しています。
1回50分のレッスンを、最安550円~提供しております。
講師はグアテマラ共和国のスペイン語講師を採用しており、全員がスペイン語を教える資格を持っております。

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